Plan:P

個人的な趣味を適当に綴るブログです

かまいたちの夜 輪廻彩声 ~仕様編~

こんばんは。
巷では浴衣&彦星キャプテンで愛野渚Pが盛り上がっているので、それ関連だろうと思われている方もいらっしゃるかもですが、先にこちらを語らせて頂きたく。
というか、キャプテン目的でこんな所に迷い込んできた人がいたら酒でも酌み交わしたいくらいですね。

 

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とにかく本題へ。タイトルと前記事にもありましたが、『かまいたちの夜 輪廻彩声』についての記事を兼ねてより書きたかったわけです。

自分とかまいたちの夜の出会いは中学生の頃。高校受験を控えた頃にも関わらず、かまいたちの夜2が出るに当たって予習用とばかりに発売されだアドバンス版が最初のかまいたちの夜でした。
当たり前のようにその世界観にのめり込み、あまりの怖さに風呂に入れない日々が続き、癪なので友人にもオススメして恐怖の世界に巻き込んだりしてと屈折した受験生時代を過ごし、モチロン後発の2、トリプル…っていうかチュンソフト製のサウンドノベル忌火起草を除いてほとんどやりました。

そんな自分の能書きはさておき、結構書くことになると思うので記事を二回構成にします。今回は立ち絵やボイスが追加された事による変化を綴る仕様編とし、次回にその仕様で大きく見方が変化したシナリオに云々する物語編をお送りします。
調子が良ければ今日中にどっちも書いちゃいます。(書けるとは言ってない
それでは興味のある方は続きを読むよりどうぞ!

立ち絵の追加について

 今回のリメイク最大の変更点ともいうべきポイント。デザインを手がけたのは有葉さん。オトクキノコの同人誌ではお世話になりましたありがとうございます。
 これまでの青いシルエットから可愛らしいイラストに変わってしまうのに抵抗感を覚えるかまいたちファンはかなりいたようで、有葉さんがTwitter上でお詫びするなんていう異例の事態が起きた事はまだ記憶に新しいですね。
 実際どうなのかと言えば、まず若い女性陣についてはほぼ文句なしです。特に良いのが性質的に贔屓目に見てると思われそうですがみどりさん。文中では「時々高校生にも見えればおばさんにも見える」とあるわけですが、それが本当に見方によってどっちにも転がるデザイン性には脱帽でした。真理、可奈子も概ねイメージ通りでしたが、亜希はもうちょい地味目のファッションで啓子はよりぽっちゃりでもいいかなと…ていうかお前が(三村)かな子やんみたいな。
 若い男性陣もそこまでイメージとかけ離れてはなく。かま2以降のシルエット透のイメージからすると、若干大人ぽくはあります。俊夫さんはちょっとイカつさが足りなくてあまり強くなさそうなのに見えます。
 続いておばさま方。絵柄の関係上、若々しく見えるのに違和感があるせいか個人的には最後まで慣れませんでした。というかシワだけ消せば普通に若い子の枠に入れちゃいそう。
 そしておじさま方。美樹本さんはやはり線が細く、微妙な美形具合で山男感をあまり出せておらず。小林さんも時代なのかいまどきダンディーて感じですね…主に髪型。香山さんも可愛らしいおじ様でお怒りの時はそれこそ茹でだこのよう…。
 と感じたままに一言居士してダメ出しが目立ちますが、やってれば慣れます。作中のシナリオの一つでPS版かまいたちをやるシーンでシルエット見せられた時「あ、これは戻り辛いわ」とさえ感じてしまいましたし…。
 プレイ前は「無いわー」の一点張りでしたけど、いざやってみると立ち絵だからこそシルエットで曖昧だった描写が明確になる部分も数多くありましたし、そもそも一枚絵もかなりの量を描いておられて、これだけの仕事をして謝る必要なんか全然ないだろうと思いました。死体描写とかも見てるだけで痛ましいのに、気苦労したのではないでしょうか。あとまぁ指示ミスなのか、文章内容と絵が合ってない所がありましたが。(これは物語編で詳しく)

 と、すっかり萌え絵の虜になりかけてる私ですが、シルエットと比較して弊害も出ています。その最たる部分がキャラに躍動感が全然ない事。
 立ち絵のポーズは基本1パターン。後は表情の喜怒哀楽とか手をどこかに添えるくらいで基本は棒立ちです。それを補うために重要なシーンで一枚絵がある訳ですが…戦闘シーンとかはためくカーテンとか宝探しする滑稽なポーズを取る香山夫妻とか…一番欲しかったのは、真理を階段から突き落として首をプランプランするアレ。一枚絵も悲壮感に満ちてましたが、アニメーションで見た時のあの「やっちまったー!」感は弱くなってしまいました。
 その他にも談話室で人の集まってるシーンで各々どこに座っているかが画で表現できないなど、本来文章の補助になるはずの描写が文章に補助されるという珍妙な事態に陥っていました。
 更に物語編で詳しくは語りますが某シナリオではイラストになったが為に非常に表現が窮屈になってしまてるなんてのもあります。

 統括すると、リメイクながら新たな発見を呼び起こす点でイラストを起用するのは有りでした。しかしポーズの決まった立ち絵では臨場感が演出できない点で元祖に見劣りしますし、イラストの可愛さから売りであるはずの恐怖も薄まるという見方もなされそうです。
 何であれ萌え絵なんざ見続けたら蕁麻疹ができるわ! ってくらい毛嫌いしていないのであれば、少しずつこれはこれで良いじゃん…となっていけるかも、しれません。

BGM・SE・ボイスについて

 立ち絵に続いての新要素がフルボイスです。めっためたのアニメ声で苦手な人には勘弁してくれという感じかもですが、消音できる上に特定のキャラだけ切る事も可能なので文句の付けようもないでしょう。
 しかしこのボイスの声色でこれまでの台詞で掴めなかったイントネーションがハッキリとし、キャラクターの心情が読み取れるようになっています。その点は注目してほしいのか、台詞の速度と文字表示速度を並行する機能なんかも備わってます。
 これも慣れてくればそんなに気にならないどころか、無いと物足りなくなってくるぐらいです。一つ難点を挙げるなら…おばさま方の声が異様に若いこと。イメージの食い違いなのかもしれませんが、若い女子陣と並べるともうよく分からなく。OL3人組の声が喋り方を意識しないと誰だか分からなくなるのは自らの聞き分け能力のせいなのですが、おばさま方だけはどうにも最後まで慣れなかったです。
 おじさま方は小林さんがイメージよりも力強いくらいであとは段々と納得させられていく感じです。
 若い衆は演じやすいのかほとんどイメージ通り。強いて言うなら透が上手すぎて感情移入しにくい事くらいでしょう。

 BGMに関しては当然といえば当然ですが、原曲が洗練された物が用意されてます。ただ曲によっては以前の形を失ってしまってる物もあり、シーン毎の記憶であの曲か、と思い起こす必要がある程。
 あと自分だけかもしれませんが、音質が良くなると怖さが薄れます。全体的に小奇麗にまとまってしまって、怖い音楽の怖い部分の主張が紛れてしまっているように感じてしまうのです。っていうのが弟切草の蘇生編でもあったのですが、今回もそうでした。

 効果音はあまり覚えてないので基本的に良くなってるという印象ですが、メロディだけは様変わりしています。ズッコケ場面で使われるドベーって具合の音がヒュルルルポッってなってるくらいですし。

システムについて

 元祖はテキストウィンドウがなく、丁度いい切れ目で改ページする方式でしたが今回はそのテキストウィンドウがある方式。立ち絵の表情豊かな様を見せるのに適してはいますが、文章の収まり方が若干窮屈に感じることもあります。それに某シナリオのアレとか探す時もやり辛いですし…まぁそのためのバックログ機能なのでしょうが。
 ちょっとネタバレしかけましたが、ノベルゲーム作りをしてる身としては感心というか勉強になるというか環境設定や読み方の機能や場面表示など、ここまでしなきゃいけないのか、というのが率直な気持ちでした。それぐらいに設定が充実しています。
 スキップは基本的に既読のみで新規の文章の読み逃しも防げます。フローチャートも便利ですが、欲を言えばL・Rボタンなどで現在位置からブロックを順番送りにするなど、カーソルが外れてる時にすぐ戻せるような仕様だったら嬉しかったです。あとやり込み情報を確認できるプレイングログもエクストラ限定でなく、シナリオ中のメニュー内で確認できるようにしてほしかったですね。

購入理由

 自分の購入のきっかけは竜騎士07氏の追加シナリオでした。言わずもがなひぐらしを通して知った作家さんですが、それ以外の作品はプレー経験がなく、到底ファンとはいえない感じでしたが、この度思い入れのあるかまいたちの夜に参加すると知って何か無性に気になり決意した次第です。シナリオ二本の内の一本はアプリ? 版で既に配信されていた内容らしく、もう一つの方が新規シナリオとのことでしたが…その感想は物語編で。
 とまぁ、購入理由は人それぞれになるので、分かりやすい立場分けとしてかまいたちの夜経験者と未経験者で理由出しをしてみます。

かまいたち経験者の方
 ここまでに語ってきた内容と被りますが、サブタイトルにもある「彩声」が大きなポイントで、これらの要素で元祖では想像の域を出なかったシーンを分かりやすく知る事ができます。久々にかまいたちの夜をやってみたいな、という方には気分一新で挑んでみるのも悪くないかもしれません。
 ただし、やはり別物と言わんばかりに雰囲気は変わってしまっているし、どうにも波長が合わない方もいらっしゃると思いますし、かまいたちの夜はあの頃の思い出のままにしておきたいという方もいらっしゃるでしょう。となると、無理には勧められません。
 内容はあくまでもかまいたちの夜なので、色々気に食わない部分に目を瞑れば普通に遊んでいくことはできるでしょう。

かまいたち未経験者の方
 かまいたちの夜に興味があるのであれば是非…と言いたいのですが、個人的にはまず元祖の方を少しでもいいので何らかの形でプレーしてから臨んでほしいのが本音です。
 これだけ美麗なグラフィックやボイスを聞いた後に元祖に食指が動くかと言われると微妙な所です。やらなくても良さそうなもんですが、上にも書いた通り元祖の方が恐怖を煽る点では勝っていると思いますし、シルエットの多彩なポージングが後々輪廻彩声をやるとなった時に良い比較情報にもなります。輪廻彩声は入門編というよりは進化や変化を楽しむ意義が強いかなと感じていますので、もしもできればそんな楽しみ方をしてもらえたら、とあ経験者の戯言でした。

 というわけで、どちらかといえば以前プレーした事のある人にオススメしたい作品です。どこまで値崩れしてるかは分かりませんが、お手頃な値段でもし見かけられたらどうでしょうか?

 最後は完全にメーカーの回し者みたいな内容で終わりましたが、次回の物語編では辛口で書いていきたいと思います。次回分も併せてご確認いただければ幸いです!